リアップとカロヤン

日本人になじみ深い薄毛・AGA対策の育毛剤や薬と言えば、『リアップ』と『カロヤン』ではないでしょうか。リアップは大正製薬・カロヤンは第一三共ヘルスケアが販売している、どちらも製薬メーカーを代表する薬です。どちらか一方を試された方もいらっしゃると思いますが、中には両方とも試してみたという方もいるのではないでしょうか。薄毛・AGAの口コミでも、この二つはよく挙がっています。
  一般的にはどちらも「毛が生える薬」という認識だと思いますが、実際は成分や効能が違います。今回はみなさんにおなじみのリアップとカロヤンについて、少し詳しくご説明したいと思います。

リアップとは

リアップの主成分はミノキシジルです。もともとミノキシジルは高血圧症の治療薬でしたが、副作用として多毛症を発症させることがあり、そこに注目した製薬メーカーが薄毛・AGA治療薬として研究開発を進めていきました。そしてミノキシジルを配合した『ロゲイン』が誕生したのです。アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)から発毛効果を認められた薬は二種類のみですが、一つが「フィナステリド製剤」(例:プロペシア)、もう一つがミノキシジルを含んだロゲインでした。
日本でも1985年にロゲインの製造元であるファルマシア・アップジョン社と大正製薬が、日本における開発・製造・販売権の導入契約を結び、1999年に大衆薬として薬局で販売されることになりました。現在日本ではミノキシジルを含んだ大衆薬はリアップのみですが、海外では「カークランド」「ツゲイン」などのロゲインのジェネリックや、内服薬のミノキシジルタブレットも広く使用されています。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、使用することで血液の流れがよくなり、頭皮の血行改善や栄養素を十分巡らせることができます。その結果太い立派な髪の毛が生えてくるというわけです。

カロヤンとは

一方、カロヤンの主成分はカルプロニウム塩化物です。このカルプロニウム塩化物は古くから皮膚科の処方薬『フロジン液(フロジン外用液)』として使われており、「円形脱毛症」などの各種脱毛症や肌の色が白く抜けていく「尋常性白斑」がその治療対象でした。またフロジン液には『アロビックス外用液』というジェネリックも存在しますが、効能は同じです。
カロヤンが発売されたのもかなり古く、1973年に初代カロヤンが発売されます。その後何度もモデルチェンジを繰り返し、現在では『カロヤンプログレ』という製品を主力としています。歴史が長い薬なので、テレビCMも時代時代で俳優が変わっており、年齢によって使ったカロヤンシリーズが違うかもしれませんね。
カルプロニウム塩化物にも血管拡張作用があり、頭皮の血行を良くすることで発毛を促します。種類の多いカロヤンには、商品ごとにさまざまな成分が含まれており、頭皮の炎症を抑える成分・抗菌作用がある成分・生薬など、頭皮環境を総合的に改善していく仕組みになっています。

リアップとカロヤンの違い

どちらも似ている薬ですが、日本皮膚科学会による2017年版男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、
  • ミノキシジルの外用(リアップなどのこと)→推奨度A  行うよう強く勧める
  • カルプロニウム塩化物(カロヤンのこと)→推奨度C1 行ってもよい
という記載がされています。
ミノキシジルはさまざまな試験でも高い効果が実証されており、皮膚科学会でも強く勧める今や薄毛・AGA治療の中心的治療で、さまざまなクリニックで処方されています。ミノキシジル配合のリアップの効能には、はっきり「発毛」と記載されています。
一方のカルプロニウム塩化物はC1だから効果が全くないのか、というとそうではありません。もともとフロジン液などのカルプロニウム塩化物は円形脱毛症などの治療で昔から使われてきた薬剤で、AGA治療においては試験・研究がまだ多くはありません。よって皮膚科学会のガイドラインでも「現段階では」という文言がありました。そして、今のところカロヤンの効能は「発毛促進」となっています。
あとは現実的なお話ですが値段の違いがあります。リアップX5は6,500円から7,500円ほど、カロヤンシリーズのカロヤンプログレEXは3,500円から4,500円ほどです。薄毛・AGA対策は継続治療なので、費用も重要な問題です。懐具合と相談の上選択するのも一つの方法ではないでしょうか。
最後にもう一つ。クリニックでもリアップと同じようなミノキシジル外用薬を処方しているようです。当サイトでご紹介しているユナイテッドクリニックさんでは、リアップと同じミノキシジルローション5%を4,500円で取り扱っています。こちらも検討してみてはいかがでしょうか。

リアップもカロヤンも、どちらも長きにわたり男性に愛されてきた薬です。それぞれの特長や使い方を理解した上で選んでみてください。また、自己流ではなく医師の処方でしっかり治療をするというのも選択肢です。いろいろ選択肢がありますが一つだけ言えるのは、AGAは進行性です。気になった時が治療の始め時なので、このサイトを参考にぜひ治療を始めてみてください。

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