フィンペシア
シプラ社はインドの製薬会社で、プロペシアの有効成分と同じ「フィナステリド」を持ったフィンペシアを製造販売しています。シプラ社は1935年に設立され、抗生物質や抗がん剤、HIV治療薬などを中心に1500種類以上の治療薬を170ヶ国以上で販売するほどに数多くの剤型製造技術を持っています。インドでも約16,000人ほどの人が働く規模の3~4番目に大きな製薬会社になります。製薬施設は世界に10ヶ国存在するほど規模が大きく、デュタステリド製剤のデュプロストもシプラ社の医薬品です。
フィンペシアはプロペシアと同じく、有効成分をフィナステリドとしているため効果や副作用についてもプロペシアと変わりません。服用方法は食事に関係なく、1日1回1錠服用します。フィンペシアを使用して98%の方が効果が現れ、副作用にある性欲減退やEDについても全体の4%と少なく、稀に肝機能障害を起こすことがある可能性があります。他のAGA治療薬にみられる初期脱毛がフィンペシアでは起こらないとも言われています。また、フィンペシアの有効成分フィナステリドはミノキシジルと作用機序が異なるので同時に服用できます。さらに、ミノキシジルとの併用によって発毛・育毛により高い治療効果が期待できます。フィンペシアの効果が少なかったり効果が感じられなくなったりしたらザガーロやアボルブなどのデュタステリド系の治療薬へ切り替えることも可能です。
フィンペシアの有効成分「フィナステリド」
フィナステリドはアメリカのメルク社がノコギリヤシの薬効成分を研究開発した化学合成品です。上記の通り、フィナステリドは5α還元酵素阻害薬に分類されます。また、II型の5α還元酵素を阻害することでAGAの進行を抑制する効果に期待できます。※フィナステリド5mgを含んだ「プロスカー」という前立腺肥大に対する薬がありますが、AGA治療目的としてフィナステリドを5mg服用してもAGA治療効果が上がるわけでもないので、AGA治療としてフィナステリド1mg以上の服用は意味がないことがわかっています。
AGAに対する治療効果を高めるのであれば、フィナステリドとミノキシジルのタブレット剤やミノキシジルローションの併用をするか、ザガーロやアボルブなどのデュタステリド製剤に変更することがお勧めです。ちなみに、フィナステリドは頭皮環境を整えることに対してミノキシジルは発毛を促す成分になるので、それぞれを単剤として使用するより併用することが効果に期待できます。ちなみにフィナステリドがII型の5α還元酵素阻害に対してデュタステリドはI型とII型の両方を阻害し、デュタステリドはフィナステリドの1.7倍の効果が期待できます。
AGA治療としてのフィナステリド
AGA治療目的の場合、フィナステリドはすでに少し触れていますが1日1回1錠服用します。フィナステリドは0.2mg錠と1mg錠があり、臨床としては1日1mgです。これ以上服用することはAGA治療目的として禁止されていると同時に効果が上がるわけではないので避けてください。
服用時は食事の影響受けないのでどのタイミングで服用するか自由です。しかし、効率的に飲み忘れがない様に毎日継続するには「毎日同じ時間」に服用することがポイントになります。血中にフィナステリドの濃度を一定に保つことで効果の実感が出やすくなります。基本的には6ヶ月間の継続服用が必要ですが、自己判断で服用中止をせず医師に相談することをお勧めします。
前立腺肥大症治療としてのフィナステリド
1991年にフィナステリドの開発が始まり、1992年にアメリカで前立腺肥大の治療薬として認可されたプロスカーが出てきたように、もともとフィナステリドは前立腺肥大の治療薬でした。服用はAGA治療の時と同じですが、1錠あたりの用量が5mg錠となっています。プロペシアと同様にプロスカーはメルク社が販売していますが、日本国内で未承認であることと5mg錠ということからAGA治療目的でインターネット通販や個人輸入代行業者などで効果を求める方がいらっしゃいますが、AGA治療目的であれば1mgと効果は変わりません。それ以上の用量は副作用のリスクを高めるのみです。また、インターネット通販などで販売されているものの中には約6割が偽物であるというデータが出ていることからも安さを求めて購入するのは避けるべきです。
フィナステリドにおける注意点
基本的に「男性」における脱毛症・AGAへの適応です(円形脱毛症や抗がん剤による脱毛には適応がありません)。未成年の服用に関して安全性や有効性が確立していないことから、未成年は服用できません。上記の通り、男性にのみの適応のため女性は服用できません。妊娠中や妊娠を考えている女性、授乳中の方は男性胎児の生殖器の発達に影響があり、フィナステリドは経皮吸収が考えられるため触れることも禁止です。通常6ヶ月以上の継続服用が必要不可欠です。服用中止すると症状が悪化する恐れがあります。前立腺がん検査予定の方はPSA値を50%低下させるため服用前に医師に申し出てください。フィナステリド服用中、服用から1ヶ月は献血できません。医療機関での処方が安心
上記で少し触れましたが、インターネット通販や個人輸入代行業者を使って購入される方もいますが、ネット上に流通している約6割が偽物だったという経緯もあるので不安定な流通ルートでは偽物が混入しかねません。また、医師の診察を受診せずに服用することは危険ですので、こちらのサイトでも紹介させていただいているクリニックや医療機関で専門の医師の処方を受けることをお勧めします。医薬品は信頼できる流通ルートがある医療機関で処方してもらえば安心です。