フロジン外用液とは
AGA治療にはさまざまな薬があります。今回はその中でも昔から使われている「フロジン外用液」について見ていきましょう。
主成分がカルプロニウム塩化物(Carproium chloride)の緑色の液状の薬です。ニプロファーマ株式会社を製造販売元、第一三共株式会社が販売元としています。
同カルプロニウム塩化物を主成分にした、「カロヤン」シリーズも国内で第一三共ヘルスより販売されています。「カロヤン」シリーズの含有量が1か2%の2種類ですが、フロジン外用液の含有量は5%です。フロジン外用液のジェネリック医薬品「アロビックス外用液」があり、長生堂製薬株式会社を製造販売元、佐藤製薬会社が販売元となります。
脱毛症
昔から脱毛症ようとして、円形脱毛症(1,2カ所が円形状になる単発円形や、3カ所以上がでる多発性脱毛症)や、悪性脱毛症(広範囲に広がっていく脱毛症)、びまん性脱毛症(女性に多い薄毛の症状)など、広くの脱毛症の症状に処方された実績がある薬です。
フロジンの効果は
カルプロニウム塩化物の働き
フロジンの効果を伝える上で少し血管が拡張する流れに触れていきましょう。
人体に交感神経と副交感神経の2つの自律神経があり、生理機能を調整しています。副交感神経が興奮するとアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。
アセチルコリンは、頭皮毛細血管平滑筋と呼ばれる場所に存在するアセチルコリン受容体と結合すると、毛細血管が拡張し血流が増加します。
このアセチルコリンと類似した構造を有するのがカルプロニウム塩化物です。カルプロニウム塩化物がアセチルコリン受容体と結合し、アセチルコリンと同じに毛細血管を拡張する作用があります。この作用があるので昔から皮膚科での処方があり、脱毛の防止ならびに発毛促進、乾性脂漏や尋常性白斑の改善に使われています。
ヘアサイクル
効果の期間に関しては、実感として現われてくるまでおよそ半年間ほどと言われています。3カ月など短い期間で効果がないと判断することはできません。これには髪のヘアサイクルが関係していきます。ざっくりと説明をすると
1.髪が伸びる「成長期」
2.髪の成長が止まる「退行期」
3.「休止期」に入り、古い髪の下に新しい髪のが成長を開始
というサイクルを平均2~6年の期間で行います。頭皮にフロジンの効果で栄養を送り続ける必要があります。なので、丈夫な髪が生えてくるまで期間が必要となるのです。
日本皮膚科学会のガイドライン
日本皮膚科学会のガイドライン(2017年度版)において、推奨度C1「行ってもよい」となってます。フロジンを単体で使用するよりも、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどの内服薬と併用していくことがAGA治療では勧められています。
フロジンの発毛促進効果よりもミノキシジルのほうが発毛効果が高くまた、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬によって脱毛の要因とされている脱毛因子の発生を抑制することでしっかりとした髪の毛が生えるため、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドはAGA治療では第一選択薬となります。そのためガイドラインではAランクの「行うよう強く勧めらる」に指定されています。また、AGAの治療は頭皮の状態を清潔に保つなど、多角的な治療が必要となるためしっかりとした育毛や栄養分をとるなども必要です。
フロジンの副作用
過敏症や、アセチルコリン様作用
副作用としては0.1~5%未満で過敏症や、アセチルコリン様作用があります。アセチルコリン様作用とは、フロジンの主成分のカルプロニウム塩化物が、アセチルコリンによく似た構造をしています。これが体内のムスカリン受容体と結合することで起こることがあるのがアセチルコリン様作用です。具体的な症状ですと、局所的な発汗、一時的な発赤、刺激痛などの報告があります。
フロジン外用液は局所的な作用のある血管拡張作用があるので、大きな副作用がでる可能性は低いと言えます。ですが、万が一に使用されておかしいなと感じられた方は、直ちに最寄りの病院でご相談ください。
注意点
また薬剤の添付文書にも記載がある注意事項が、お風呂上りのあとなどに使用すると、副作用が強く出る可能性があります。これは入浴などによって頭皮の血管が拡張した状態になっているためと考えられます。
そして高齢者の方では生理機能が低下している可能性があり、副作用が発現しやすいです。このため、低用量から使用するなどの注意が必要があります。服用している薬や以前にアレルギーが出たことがあるのなどご心配の方は一度お医者さんに確認をとるのが良いかもしれません。
フロジンの使い方
1日2~3回適量を気になるところにふりかけます。その後軽くマッサージを行い、頭皮になじませていきます。薬液を塗布後は、血管拡張作用があるので、少し頭皮がヒリヒリと熱感をかんじることがあるかもしれません。
もし、薬液が目にはいるとしみるので、使用する際は十分に気をつけてください。誤って目に入ってしまった場合は、すぐにきれいな水で洗い流すようにしてください。
フロジンの購入
フロジンの使用を検討された際、ネットで調べてみると、個人輸入やネット通販などが表示されます。ですが、フロジンは医薬部外品ではありません。第一類医薬品にあたるので、医師診断や薬剤師の処方を受けなれば入手することができません。購入を検討されるなら、AGAクリニックや病院で処方をしてもらうのが確実で安心です。
AGA治療は、継続して行うことで効果が発揮されます。またさまざまな要因が考えられることから包括的な治療をしていくことが大事になります。フロジンを含めてAGA治療にご興味がある方は是非一度AGAクリニックでご相談をお勧めいたします。