これまでのコラムでは主にAGA治療薬の効果や飲み方についてお話してきました。AGA治療薬の飲み合わせについてはあまりお話してきませんでしたので、今回はミノキシジルとザガーロの併用について説明させていただきます。
今現在AGA治療を行っているクリニックや病院ではミノキシジルとザガーロの併用を推奨しているところが数多くあります。二つの薬剤を併用することでやはり効果は高まるのでしょうか。それぞれのお薬の効果とともにお話していきたいと思います。
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ザガーロ(デュタステリド)の効果
飲み合わせについてお話しする前にザガーロとミノキシジルの効果の違いについての説明をさせていただきます。
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ザガーロの有効成分であるデュタステリドはAGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制してくれます。DHTは男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼと結びつくことによって生成されます。デュタステリドは5αリダクターゼを阻害する役割があるため、DHTの濃度を低下させることが出来ます。結果的にヘアサイクルを正常な状態へと戻し、AGAの進行を抑えることができます。
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ミノキシジルの効果
ミノキシジルの効果には、血管拡張や毛母細胞の活性化などがあります。特に毛母細胞は髪を生やすために非常に重要な細胞なため、働きを活性化することにより新しい髪の毛が生えやすくなります。また血管を拡張させることにより、毛根に栄養や血液が行き渡りやすくなるため、より太い髪の毛が生えてくることが望めます。
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■ 内服薬と外用薬の違い
ミノキシジルにはタブレットタイプの内服薬とローションタイプの外用薬の二種類があります。どちらを使用すれば分からないと言う方も多くいるのではないでしょうか。それぞれ成分は同じなので効果に違いはありません。しかし内服薬の方が全身に成分が行き渡りますので、より高い効果を期待できます。また個人差によって副作用の現れ方が異なりますので、自分自身に合ったタイプの使用を推奨いたします。
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デュタステリドとミノキシジルの併用による効果の現れ方
これまでの説明でデュタステリドとミノキシジルについての効果については理解できたと思います。簡単にまとめるデュタステリドは守りの治療、ミノキシジルは攻めの治療となります。
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さてこの二つの治療薬は併用することができるのでしょうか。結論から言いますと、可能です。併用した方がより効果的です。これまで説明した通り、デュタステリドはヘアサイクルを整え、抜け毛を抑える守りの効果。ミノキシジルは髪の毛を生やすための攻めの効果となります。どちらとも効果の異なる治療薬であり、作用機序も異なるため併用することができ、また相乗効果でAGAをより改善させることができます。髪の毛を守りながら、生やしていくことが同時に行うことができるため併用することを推奨しています。
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■ 副作用はどうなるの?
副作用についてですが、併用した場合は両方の副作用が現れる場合があります。動悸やめまいなどが現れた場合は一度服用を止め、専門のクリニックに相談するようにして下さい。下記に主な副作用を挙げますのでご確認下さい。
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・デュタステリド
勃起不全、射精障害、リビドー減退、腰痛など。
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・ミノキシジル
【外用薬の場合】
頭皮の発疹・発赤・かぶれ、頭痛、めまい、手足のむくみ、心拍が速くなる
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【内服薬の場合】
低血圧、全身の多毛症、手足のむくみ、頭痛、めまい、動悸
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個人の判断で薬を服用するのはお止め下さい。他の治療薬を服用している場合、それらと併用すると思わぬ副作用が現れることがありますので大変危険です。必ず専門の医師に判断を仰いでから服用しましょう。
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飲み続けないと効果がない?
ミノキシジルとザガーロに限らずAGA治療薬は短期間では効果が
現れにくいです。そのため、すぐに効果が現れないからといって服用を止めてしまう人もいます。効果が目に見えて分かるようになるのは早くて半年かかり、しっかりとした効果が現れるまで最低でも1年間は続ける必要があります。AGAは長い時間をかけての治療となりますので、効果が現れないからといって、服用を中断するのではなく、必ず毎日服用するようにして下さい。
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■ いつまで飲み続けるべきなのか
AGA治療薬を服用している人でよく「いつまで飲み続ければいいの?」と疑問を持った方がいらっしゃいます。おおよその目安になりますが、1年間程服用を続けて頂き経過を観察します。その後は医師と様子を見ながら今後の方針を決めるが一般的です。例えば薬の種類を変えたり、用量を落としたりです。しかし薬の服用を全て止めてしまうと、再度AGAが発症し、治療薬を服用する前の状態へと戻ってしまいます。そのため自分自身にとって負担の少ない治療を選択するのが一番となります。
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現在ではAGA治療薬は数多く存在します。そのためこれから治療を始めようという方はどれで治療をすればいいか迷ってしまうことがあると思います。そういった場合は一度専門の病院やクリニックに行き、医師から説明を受けるのも一つの手です。薬を処方してもらう場合は、必ず専門の医師から処方してもらいましょう。